KING OF BRANDS 7th July 2007
 ロンドンよりやや南西にあるレースサーキットブランズ・ハッチ。そこで行われるクラシック・モーターサイクルレーシング「キング・オブ・ブランズ」を観戦して来た。ロンドンから少し離れるだけで、北海道のように草原が広がり、家畜が放牧されている光景になる事にはいつものごとく驚くが、その中に忽然と現れるレースサーキットがブランズ・ハッチである。(おそらくどこのレース場も同じようなんだろうけれど。)今回は運良く、知り合いのサイドカー・レーサーがメイン・エントランスではなく、裏口のパドック・エントランスから一緒にシラっと入れてくれたので、無料!そんな彼らは残念ながら、一日前のプラクティス中にオイルプレッシャーに問題が見つかったため本戦は泣く泣く棄権したそうだ。彼らROB&ANDYはベルギーなど、ヨーロッパのレースにも参加していて、優勝暦も多々あるそうだ!!

 到着した時に、ちょうどサイドカーレースが行われていたため、ROBが隣でそれぞれのレーサー達やマシンを説明してくれる。「ほら、あの17番を見てみろ。あれはノートン・コマンドーだ。彼らは夫婦でやっているんだよ。」と。そして、レース後には紹介までしてくれた!! DenisとChristineはもう25年間も一緒に走っているらしく、Denisはまさにイギリスの「バート・マンロー」(映画・世界最速のインディアンの主人公)といった感じの、イカシタ親父さんだった。Christineもとても優しい、物腰の柔らかい女性だった。この二人の笑顔を見ていると、勝つためではなく、楽しむためにレースをしているんだなぁと感動させられた。こういう二人の歩み方は素敵だ。そこでRobがバイク話に火がついてしまい、Denisと話が終わりそうに無いので、ここで別れて駐車場兼パドックを見て回る事に。

 普段は目にする事の無い車両がごろごろと転がっている。ノートンマンクスに始まり、マチレス G50、AJS 7Rなどなど、名車が一堂に会しているため、どこを向いてもそれらの貴重な車両が目に入ってくる。レースが終わった車両も、その足でパドック兼駐車場に戻ってくるため、ふと振り向けばマンクスが事も無げに通り過ぎていく。

 コースの場所を色々と変えて観戦したが、レースのスタートを数メートルの距離で味わえた事が最高だった。このレースは、言ってみればアマチュアレースであるがゆえに、一般客の立ち入り制限がかなり緩かった。グランドスタンドの正面に位置する、ピット側に回ることができたのだ!

 マシーン達はまず一周の慣らしを行う。各々のペースで、コースを確かめ、タイヤを暖める。全車両がグリッドについた事が確認されると、一斉にアクセルが煽られる!! オイルの焼ける匂いと数十台の排気音が混ざり、スタート直前の張り詰めた緊張感がダイレクトに伝わってくる!! この瞬間を味わってしまうと、サーキットへの憧れを抱かずにはいられない!! 次回はレースコース第2弾 マロリーパーク!!




Matchless G50 & AJS 7R




トライトンもレーサーに愛される車両




Nourish 8バルブヘッドで武装したトライアンフ




パドックに佇むノートン・マンクス。美しい!!




350ccのゴールドスター。カラーリングがお茶目。




HONDAもモチロン堂々と居並ぶ。




トライアンフ・プロダクションレーサー「スラクストン」後期型のレプリカ




至る所で、こういう姿が。アットホームで雰囲気良し!!




レース直前の笑顔。この数秒後に目つきが変わる!!




スタート前の咆哮と緊張感がダイレクトに伝わってくる!!




名車がフルスロットルで目の前を駆け抜ける!!




サイドカーはドライバーよりもパッセンジャーの体重移動が重要だそうだ。
体を外に乗り出しているポジションに注目!!




レース終了後はライバル同士も美味いパイントを交わすんだろうな。そんな空気にも憧れる。




Special Thanks!! Rob & Andy!!