オランダ遠征!! MAY 2005 TRIUMPH OWNER'S CLUB RUN | ||||||||||||
いよいよ、待ちに待ったツーリングの日がやってきた!トライアンフ・オーナーズクラブの自分が入っている南ロンドン支部(Mighty
South London)の年に一度の海外遠征!! イギリスを飛び出しフランス、ベルギーを渡りオランダへ行く壮大な旅! 朝早くから出発しフェリーに乗るためDover(ドーヴァー海峡)を目指す。ロンドンから港へ向かう高速道路の途中、巡航速度が遅かったため猛烈な眠気に襲われてしまう。これはいかんと思い、一人でしばらくかっ飛ばして目を覚ました。さて、後ろの2台に追いついてもらおうとスピードを落としたが全然後ろから来る気配が無い。まさか・・・と思い路肩に停めて携帯を見ると「一台が故障した、そのままドーバーへ行け」とのこと。いつも世話になっているクラウディアとロンなので、一緒に行けないのか!?と思うとなんとも残念。しばらく休憩した後出発。ロンドンからドーヴァーまではおよそ100KMの道のり。海が中々現れないと思ったそのとき、カーブを曲がった次の瞬間に突然眼前に海が広がった!「ここから海を渡るのだ!」とテンションがあがる。切り立った美しい崖の下が港になっていて、ホワイトクリフ(白い崖)を間近に見ることが出来る。ちなみにこのホワイトクリフは延々と続いており、フランス側から見ると7つのこぶのようになっているため「セブンシスターズ」と呼ばれる。映画「さらば青春の光」のラストシーンはこの崖で撮影が行われた。そんなわけで、いつか訪れたいと思っていた場所を間近で見ることが出来、これだけでも満足!
船旅は2時間ほど。ドーヴァーからフランスの「ダンケルク」という港へ到着。ここからは初めての右側通行を経験する。英国同様の「ラウンドアバウト」というシステムはあるものの、それを逆周りに回るため不思議な感覚に陥る。「ラウンドアバウト」とは交差点の役割をするもので、信号が無い代わりにそこが円形になっている。そのサークルに入ると、時計回りに周り自分の行きたい方向へと進路を変えていくものだ。この場合、右側から車(自分より先にサークルに入っている車)が優先される。それが逆ということは逆時計回り、左側優先なので混乱!連なって走っているときはいいが、一人でぶらりと走った時はよく逆走していた!笑 フランスをしばらく走っているとお隣のベルギーへと国境を越える。これがまた、なんともあっさりしたもので驚いた。日本で高速道路を走っていて「ようこそ、**県へ」という感覚と同じものEUマークの看板が道に立っているだけ。パスポートの提示は必要なく、EUだからこそのボーダーレスを痛感。しかし、そこに住む人々は違う人種で、それぞれの文化があるということは僕ら島国日本人には理解できない感覚だと思う。それは隣の県に住む人々が違う「言語」を話しているような感じなんだろうな。 ベルギーのとある街で小休止。事故の影響で道がしばらく封鎖されてしまっていたためだ。海岸沿いの洒落たカフェで軽く昼飯を食べる。メニューは当たり前だが英語ではない。ハムトーストと名物「ベルギーワッフル」をオーダー。日本のそれよりもさくさくしていてあっさり。パウダーシュガーとの組み合わせも気に入った!何人ものメンバー達がビールを飲んでるのを見かける。飲酒は法的に駄目だろうけれど、その基準は大分低いのかもしれない。それにいい歳したおやっさんばかりなので自分のことをよく知ってるんだろうな。やたらめったら法で縛る日本と、そうしないと事故が減らない日本人てのも問題だなぁと思う。街並みは以外に古そうな建物は少なくて、妙にのっぺりした建物が目立ったのが印象的。もちろん、行く場所で違うんだろうけれど。地図で見ると海岸に近い道ではあるけれども、建物が続いているために海はあまり見えなかった。だけど、ある海岸沿いの道にはいくつも大砲や機関銃が備え付けてあった!日本人には身近に感じられない「戦争」という血生臭さをリアルに垣間見た瞬間だった。 オランダに入ると海沿いから運河沿いの道に進路を変えて、大陸の中に少し入っていく。景色は「平たさ」で言うならば、さすがの北海道さえも比較にならない!山はもちろん、丘すらないためにどこまでも見渡せる大地が続く。道は直線過ぎて眠くなってくるほど!「なんてシンプルな土地なんだろう・・・」なんて思いながらひたすら走る。ようやくキャンプサイトにつき、ほっと一杯やる。トライアンフオーナーズクラブ・オランダ支部の人々がぼろい小屋の中でこのイベントのためにバーを開き、ライブをしてくれる。その利益はクラブの運営にまわされるのだから、ここにも「サポート」という意識は根付いている。テントを張り、いよいよバーベキュー!肉をむさぼってやろうと張り切っていたのに炭までおこしておいて焼いたのはソーセージだけ!おいおい、野菜は!?カルビは!?とうもろこしが食いたいのだ、俺は!パンにソーセージを挟みそれで晩飯終了!イギリスでは夏場のバーベキューが盛んなようだが、こうした簡単に楽しむものが多いのかもしれないな・・・けれど、小さなキャンドルがいくつもともる中で、あたたかいコーヒーを飲み共有する時間はいいものだった。
2日目。午後過ぎまで自由時間だったので、近くの街まで走ることにした。一台でどこまでも真っ直ぐな道を走る。北海道で見たような大きな風車が連なっている景色、大きな木立の中を木漏れ日を受けながら街へ向かう。街の建物は童話の中にでてきそうなレンガ造りのもので、不思議と立体感があまり無いために張りぼてのように感じる。近くの小洒落たカフェにいたクラブのメンバー達の仲間に入りビールとモッツァレラチーズ、トマト、ハムを挟んだバゲットを食す。これ最高にうまかった!!! キャンプサイトに着くとすぐに、オランダ支部のメンバー達とのショートランだ!30台ほどでほとんど信号が無い台地を一時間半ほどの道のりを駆ける。道は延々と延び、同じような景色が続くため地元民でないと方向感覚がなくなってしまいそうだ。途中、やれたパブでいったん休憩。そこは田舎の田舎のパブ。来るお客はみんな常連なのだろうな、と感じさせるパブに突如数十台のトライアンフが集う。ちょっとした事件だったのかもしれない。そして再びキャンプサイトへ。
そのシックに南ロンドン支部の代表「モグ」がタバコをせびっていた。「すまんが、タバコ持ってないか?」「ああ、巻きタバコならあるぜ」「すまんが、巻いてくれんか?俺は今までやったことがない」とシックに自分のタバコを巻かせているではないか。じいさんやるなぁと思っていたら、今度は俺にも言ってきた。「タバコ巻いてくれ」「やだ、モグ、あんた自分で出来るだろう?」「俺は怠けもんだからやらんのだ」「いや、俺も怠けものだから自分でやりなよ、ヘイ」というと「お前は俳優だな〜一本とられた」とか言いながら自分で綺麗に巻き上げてしまった。やったこと無いんじゃなかったっけ!?この英国人め!ウィットにとんだやんちゃ親父め!右の写真はタバコを巻くモグ。その後はライブがあったりでドンちゃん騒ぎで夜は更ける。 最終日。いそいそとテントを片付け出発。オランダのメンバー達に別れを告げてまたの再会を誓う。人種は違えど「また会おう!」って言えるのは素敵だなぁとつくづく思う。トライアンフオーナーズクラブ・オランダ支部の「Ovet(オーベット)」のみんなありがとう!オランダ・アムステルダムのロッカーやカフェレーサークラブとも知り合えたいいイベントだった! 帰りはベルギーの街で昼食をとる。中々大きな街のようで観光客も多くいた。オランダへ向かう途中に見た街とは違い、歴史を感じる雰囲気のいい街で、大きな教会がそのシンボルのようだった。そこで意外にみんながのんびり休憩しているので、まだまだフェリーの時間はあるのかと少し街をぶらつく。ベルギーはオランダに比べ物価が高いのか、カフェの料金もロンドンと変わらないぐらい高く、不味かった。たまたま入った店がはずれだったのかも知れないけれど、オランダの街で食べたバゲットは安く、美味かったのでやはり違いがあるのかも。 フランスの港「ダンカーク」の手前で最後の休憩をする。英国に入るとタバコが異常に高くなるので、このあたりにはタバコ屋が乱立している。そこでいつも愛用している銘柄の巻きタバコ(イギリスの半額以下!!)をしこたま買い込み、港へ向かう。 そこで驚きの事実が襲う!なんと乗るはずだったフェリーを見逃してしまったのだ!あんなにベルギーの街でのんびりするからだ〜!計画性の無い英国人め〜!そこで3時間ほど待ち、無事に次発のフェリーへ乗り込み、英国へと戻る。 夜9時ごろドーヴァーに船が着いた。こちらは高緯度の為この時間でもまだ「夕日」の状態。ホワイトクリフ、そしてその丘にそびえるドーヴァー城の奥から夕日が差している図は素晴らしいもので、この素晴らしい旅の終わりに色を添えてくれた。 2泊3日、走行距離にすると500km程度の短いものだったが、この中で英国、フランス、ベルギー、オランダの4カ国を駆け抜けたと思うと本当に不思議だ。こちらにいるから「簡単」に出来た旅。日本にいた頃はそんなことができるなんて考えてもいなかった。「すごい」ことなのか「普通」のことなのか。それは日本人か、ヨーロッパ人、どちらの視点から見るかでごろっと変わってしまう。その差を知ることもこの旅の大事な意味だったのかもしれない。さて、次はどこへ行こうか。 |