TRIUMPH OF ROCKERS | ||
このイベントは昼4時ごろから夜12時までという不思議な時間帯のもの。昼2時ごろにはACE CAFEを出発し、大挙してイベント会場まで乗り付けるというランがあるということで胸を弾ませつつ、ACEへ向かう。「この日ばかりはROCKERS達がうようよACEにいるに違いない!」との期待は真っ向から裏切られる。そこにいるのは10人以下。何故だ!? しかし、バタシーロッカーズのメンバー・MEL(メル)と会えたため色々と話すことが出来た。60年代にROCKERだったが、その後ずっと離れていたこと。ある日、ロイヤル・エンフィールドを見て再び舞い戻ったこと。そしていくつかのスラングみたいなものを教えてもらったりと。「お前がACEに乗り付けた姿、かっこよかったぜ」そう言われて嬉しかった。 さて、そろそろイベント会場へ出発する時間!しかし人数は相変わらず少ないまま、しかもバラバラと出るために5台ほどでのランだった。会場に到着するとオープンまでまだ1時間ほどあるために人気が少ない。中ではリハーサルが行われているようだ。メルが「バタシーロッカーズが手伝いもやっていたようだ。ひょっとしたら無料で入れるかもしれん。一緒に来いよ。」ということで、スタスタと会場に入って行きスタッフにその事を告げると何とフリーパス!このイベントは¥5,000ぐらいのものだったのでラッキー!これでビールが心置きなく飲めるってもんだ。 会場はゆうに1000人以上は入ろうかという広さで「ここがROCKERやTEDSで一杯になるのか!?」と胸を弾ませたが、結局そうはならなかった。残念ながら200人ほどしか集まらなかったのではないだろうか。イベント代の高さと出るバンドが釣り合っていなかったのかもしれない。その日は「Rapiers」が出る予定だったが不幸にもこの当日にメンバーの1人が事故で亡くなってしまったらしくキャンセル。もう一つ楽しみにしていたバンド「Diamonds」(前Jet Blackのボーカルの人のバンド)もキャンセルになってしまい残念!ま、無料だからなんでもいいんだけど。 しかし、この日はやっぱり素敵な日になった。Father Graham Hulettに紹介してもらうことができたから。59クラブ・2代目リーダーだった彼はもうすっかりおじいちゃん。初代ファーザー・ビルは創始者ということもあって、メディアへの露出も多かったが、2代目ファーザー・グラハムにはスポットが当たることは少なく、「感謝」を表すイベントがこれまで無かった。だから、彼が健康なうちにみんなで感謝の意を表そうというのがこのイベントの主旨。彼もかなりのバイク好きなようで僕のバイクを気に入ってくれたようだった。いざ目の前にしてしまうと緊張してしまったけれど、彼の人柄の良さというのはひしひしと感じることが出来て感動した。下記のリンクではファーザー・グラハム自信が所持する、当時の写真が掲載されているので是非見て欲しい。彼の優しそうな雰囲気がみてとれるはずだ。それに当時の貴重な写真の数々、それだけで一冊の本ができてもおかしくないようなものばかり!! イベントの後半になると壇上で彼への表彰式が行われた。このイベントの前に59人から59ポンドずつの寄付を募り、ファーザーにロイヤルエンフィールド・Bulletをプレゼントしたらしいのだが、そのバイクも飾られていた。表彰式にはイベント会場がある地区の区長夫婦も駆けつけていた。不良文化だとしてもそれが「認識」されている英国は素晴らしい。ファーザーが感謝のスピーチの最後を「God Bless You!」で締めくくったときには大きな拍手が巻き起こり、優しい気持ちになることが出来た。この日、このイベントに参加できたことは僕の誇りだ。 |