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−コラム− 「裁断」という悩める愉悦の工程 | |
どこにどのパーツを置き裁断するか。いつも革とにらめっこします。よく革製のメンズジャケットなどではウエストで真横に切り替え、内側の袖のパーツで上下に切り替えが入っているものが多数ありますがそれは大体において、デザインというよりは裁断のしやすさ=コストダウンにつなげるために行なわれます。しかしこのオーダーJKは裁断の方向を個人的に気に入った方向にほとんど固定し、ゆとりのある裁断をしています。このように1つ1つのパーツが大きくて、反対に小さくて傷が多い鹿革を使用する場合はにらめっこの時間は飛躍的に増えます。要はパズルのようなものです。今回は4枚。前回自分用には3枚でしたがこのように方向を揃えたりする余裕はありませんでした。このJKは裏地がありません。ということは絶えず裏面が目に付き、体に触れます。だから裁断時には裏面の起毛具合も全て確かめ、安定した場所のみを探り当てて行ないました。シンプルなものほどごまかせません。また素材を活かすためのデザインは必然的にシンプルなものに行き着くと思っています。余分なものを削り取って、削り取って、、、それは全体として言うならば「削り取る足し算」とでも言えるのかも知れませんね。「単純」という意味での「シンプル」ではない、それは「黒」にも共通する自分の好きな意識なのでしょうね。 | |
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Cracking Shirt | |
ベージュのレザーの表面にひび割れた感じをだした黒色の顔料が塗布されたホースハイドを使用。一般の「シャツ」の幅広のものではなく、ジャケットに近い袖の作りをしているため、着用したときに袖がかっこ悪く外側にひろがらない。縫い糸には7色に色が変わるモノをしようしているため、一枚仕立ての裏面を鮮やか演出。引き裂くように裁断しているため、切り口が荒々しい感じに仕上がっている。馬革製 | |