The First
No,009 For Mr.Ike
 数着この「ファースト」を制作してきた中で、遂に全体のバランスに納得のいくものが出来た。特に衿はほどよい大きさで気持ちのいい主張をしている。フロントジッパーを開けたままで着ること、その時のシルエットを優先したために腰周りはタイト。初めの頃は「ライダース」を強く意識していたために大きく、大きくしていた。前回のRYUTAのものからは衿に向けてのシェイプを取り入れて今回はそれらを総合したものとなった。これまでと同じ馬革だが、しなやかさと光沢も美しい。
背中のカーブは優しく弧を描く絶妙なもの。何度も何度も書き直す。数ミリの違いが生む雰囲気。
 
袖口の写真。裏地に加え、補強のためにもう一重違う布を重ねている。これによって、裏地の張替えが容易になる。
首に綺麗に沿う衿腰。高すぎず、低すぎず。
ヨーク部分と深い赤のライニングのコントラスト。


Emblem shape suede bag
 馬革のスエード面と銀面のコンビ・バッグ。表面の切り替えはMBRのエンブレムシェイプの一部を応用し、右下部分は小物入れとしてできるようになっている。背面には長めのストラップがあり、肩にかけたりバイクに乗るときには腰に装着できるようになっている。


The Last Riders
For Gun, Ryuta, Sammy and me
 MBRとして日本ラストの品はライダースジャケット。「ライダース」とは何を満たせばいいのか?そう問い続けた、その時点での答え。ダブルのライダースとしてシンプル且つMBRとしてのオリジナリティを含めた。レザーはそのしっかりとした厚みの見た目からは想像できないほど軽く、しなやかな馬革。深い深い「黒」を化粧(着色)するのではなくて、できるだけ革の「素」の表情を残すことにこだわりつくって頂いた革。そのため「シワ」の入り方は深みがあり美しい。ジッパーのサイドに並んでいるものは「ギボシ」でデザインのアクセントと、暑い時期にはこれのみ留めることによって少しでも空気が入り込むようにするため。
上衿にはきめ細かい手触りの手乗り鹿の革。ラペル部分(下側の衿)にも一定のラインでこの革のラインが入る。
内ポケットはこれまでの経験を経たつくりで飾りにホワイトステッチが入る。
ヨークのカーブは激しく主張するものではなくて、ずっと飽きのこない絶妙な曲線を厳選。「素」に近い革だからこそわかる、流れるような模様が美しい。