ACE CAFE REUNION 2007 BRIGHTON BURN UP!! 7/8/9 SEP |
午前9時半にサウスロンドンのバタシーエリアにあるカフェ「Battersea Grill」で待ち合わせのため9時前にLeather Girl Hiroko&Timとノースロンドンを出発し、一路集合地点へ向かう。ロンドンの道路網は中々やっかいで、北から南へ行く際はもれなく中心部を通らなければならない。日本とは違い、都市内には高速道路はほぼ存在しない。延々と下道をロンドンの凸凹道とマナーを知らない車、渋滞と戦いながら道を辿ってゆく。(ノースサーキュラー、サウスサーキュラーとぐるりとロンドンの外周を走る幹線道路があるがそれを使って、南へ下ると余計に時間がかかる場合もある。) 定刻にバタシーグリルに到着するとまだ他には2人しか来てない。予想はしていたが「9時半ごろ」、英語で言う「9:30ish」(ナイン・サーティッシュ)は日本語で言うと「9時半ごろくらい」という何とも曖昧な表現のため、10時に着いたとしても全く問題ない。まぁ、早めに着いてBreakfastをのんびり食べている方が気が楽なのは確か。2007年7月1日より、イギリスでも遂にすべての公共の建物内で禁煙となってしまったため、屋外の席に着く。しばらくすると爆音が一台ずつ近づいて来ては、仲間が姿を現す。店の前にはトライアンフ、BSA、TRITON、そしてフラットヘッドのハーレーも居並びその数20台近く。この集まりでブライトンまで一斉に走り出すだけで十分に刺激的だ!!各々ティーと共にサンドイッチを頬張りつつ、バイクの事を延々と話し出す。一向に動く気配が無く話に熱中しているため、この日はここで集まって終わり?なんて感じるほど。 |
ようやく11時ごろに、示し合わせたかのように話に一息つけて出発!!日曜日の午前中。ゆったりとした時間が流れる中を旧車の爆音が街の空気を一変させる。カフェでゆったりくつろぐ客も何事かと目を丸くしている。皆で仲良く並んで、車の間に挟まってトロトロ走るのではない。車の間にスペースを見つければ、我先にとすり抜けて疾走して行く。信号で止まる度に20台の排気音が重なり、オイルの焼ける匂いが漂ってくる。そしてブルーのシグナルと共に一斉にアクセルを開け、飛び出していく。まったく、これで皆の平均年齢が40ぐらいなのだからたまらない。きっと10年経っても、20年経っても同じようにかっ飛ばしているのだろう。ただ、無理はし過ぎないし、車のドライバーにも迷惑はかけない所がまた良い。気ままに走っているように見えて、実は気を使っているのだ。渋滞と台数の多さでロンドンから出るのに手間取ったが、何とかロンドンを抜けて快適に走れるようになって来た所で新たに2台が合流し一路ブライトンへ向かう! その途中にTriumphのフラットトラッカーのマフラーが脱落!!その後ろを走っていた仲間は突然のロケット砲にかなりビビッたらしい。笑そしてもう一人後ろのトライトン乗りのレディー・ジョニーンが走りながらも道に転がっていたボルトを発見し指差した!「イーグルアイ(鷲)の持ち主だな〜!」なんて持てはやされていた。田舎道をしばらく快走した後にパブで休憩。もう3分の2ぐらいは来たかな?と思ったらまだ半分ほどだそう!ロンドン内で大分体力を使ってしまった。 |
そこではさっきのマフラー発射事件を肴にしながら一杯。そして、ロンドン出発時に皆の出発の姿を写真に撮ろうとしてはぐれたBSA乗りのハンスが遂に到着!はぐれた後、5分ほど全体で待っていたのだが携帯でも連絡がつかず先に置いて行ってしまったので、ちょっとすね気味・・・に見えたがそこは大人、ビール片手に談笑に加わる。この時点でもう昼を過ぎている。朝9時前に家をでて早3時間。しかしまだ道半ば!?こりゃ、着いたらもう終わってるかもなぁ何て感じ始める。そして再び出発。心地よい田舎道。日本の峠道とは違う、草原、丘の道。カーブは緩いがアップダウンが多い。一直線に伸びる道を勢いよく下る様はジェットコースターに乗っているようだ。あたりは見晴らしの良い丘陵地帯でゆっくり走っても楽しめそうなのに、皆惜しげもなく愛車に鞭を入れて加速する。
「Brighton(ブライトン)」の標識が出てくるようになり、海が丘を越えた所に見えてくるとホッとすると共に、今年もやってきたんだ、と沸々と実感する。 いよいよ、ブライトンの街に入りシーフロントへ行く!と思いきや、シーフロント目前のパブに突入!! またパブかよ!笑 そうだった、去年も彼らはバイクを混雑している海辺の道に停める事を避け、少し小道に入ったパブにバイクを停めていたのだ。そこで一杯&腹ごなしをしてからフロントへ行くというので、自分は一足先に一杯飲み干し、フランスから遊びに来ているマサヤ夫妻に会いにフロントへ降りて行く事に。 |
昼ごろはピークを迎えるために、シーフロントはおろか、遥か彼方へ停めなければいけないが2時過ぎともなると帰りだす連中も大勢いるのでフロントの良い場所に停める事ができる。そこでマサヤ夫妻と共に59クラブのブースへ行き、メンバーの登録を行いヘルメットを預かってもらう。ヨーロッパ各国のメンバーと集う一年で一回のチャンスだ。59クラブのブーステントにはひっきりなしにメンバーが訪れてくる。
一仕事終えた後、やっと昼食をとる事に。とは言っても、さっきのパブの本格料理とは違い、海辺ではフィッシュ&チップスやハンバーガーしか無い。ご飯の代わりにトーストかチップス(フライドポテト)のこの国。カフェに行っても、オムレツやハンバーガーにチップスが付いてくる。日本ではほとんど見かけない、英国流の「塩とたっぷりのビネガー」とチップスの組み合わせには、慣れると病み付きになる。が、やはり日本人。彼らのようにご飯の代わりに毎日のように食べる気にはなれないのが本音。
しかし今回はそれにカレーソースをオーダーしてみた。話は聞いたことはあったが、隣のTimが美味しそうに食べているのを見て、初めてのカレーソース(£1)にトライ。イギリス人にとって、これはポピュラーな組み合わせらしい。塩とビネガーだけでなく、今回は気分を代えてみるかと思いきや、出てきたカレーは紙コップに入って、レンジで「チン」したもの。部分的にぬるくちょっと気持ち悪い・・・笑 マサヤ&レザーガール夫妻とイギリスの避暑地でのチープなランチを堪能した頃、パブにてホームメイドのローストビーフを堪能して来たメンバー達がバイクでシーフロントまで乗り付けてきた。 |
そこで何かテレビ局の取材を受けているではないか。何だなんだ?と近づいて行くと「インタビューいいかしら?」と肩を叩かれる。え、俺?
そして、当たり前だが英語。 「何て聞くの?」と尋ねると「今日のイベントをどう思うとか、簡単な事よ。」と言う。ううーん、まぁ良い経験か。と、インタビューを受ける事になったが、めちゃめちゃ近くにカメラを持って立たれる。50センチほどの距離で、目の前に大きなレンズを向けられるとドンドン離れたくなってくる。笑
「今日のイベントについてどう思う。」から始まり「どうしてバイクに乗るの?」、「バイクに乗るのは何を得られるから?」などと日本語で聞かれてもほいほい答えられない質問になって来て、「バイクに乗るとWind(風)を感じられるしね。」とピシッと言うつもりが「Window(窓)を感じられるしね。」
何て意味不明な事を口走ってしまって、自分で受けてしまった。いやー、緊張したな。最後は「僕は日本人だけど、イギリス製のバイクに乗っている。それが何だと言われたら、それが自分にとってのライフなんだ。それを通じてここにいる仲間と会えたりして、まるでHOMEのように感じるよ。」と言った「つもり」。笑
ちなみにジェイクはどこから沸いて出るんだ?というほどに喋り倒していた。見習わねば!? そんな事をしている間にメインステージでのライブはとっくに終わってしまっていたが、何とか今年のピンバッジはゲット。危うく店仕舞いされるところだった。イベント後にエースカフェでもしばらくは購入できるが、どうせならやっぱり現地で! |
うろうろする間もほとんどなく、それじゃ帰ろうかという事に。彼らのエースカフェリユニオンは皆で走るイベントなのだ。毎年来ていると勝手が分かるから、そういう自分達のペースが出来て来るんだろう。ブライトンを後に、来た道を戻っていく。日が徐々に陰って来るため丘の涼しさが心地いい。が、ペースが速い。まだまだ走り足りないのか!?帰りはガソリン休憩のみでロンドンを目指す。ロンドンに近づくにつれて車の量が増えて来て、信号やラウンドアバウト(詳しくはここをクリック。)に頻繁に出くわすようになる。ラウンドアバウトは未だに慣れないシステムで、道路の車線が多くなってくるとどの時点で内側のレーンから外側に離れていくか、中々コツがつかめずにヒヤヒヤする。統計上では交差点よりも事故が少ないらしいが、どうなんだろう?ロンドンに入ると、台数が台数だけに列が伸びてしまいいくつかに切れてしまった。要所要所では誰かが待っているために迷う事はないが、普段走りなれない入り組んだ地域を走っていると疲れが増してくる。ある信号でBSA乗りのハンスが後ろから追いついて来た。すぐにブルーになって発信した時に後ろで彼のBSAがエンストしてしまっている事に気づいたが、まだ後ろに誰かいるだろうと先に出てしまった。が、実は彼が殿(しんがり)だったため彼を朝同様、またしても放っていく事になってしまった。 いつも集まる、ノースロンドンのパブに辿り着いた時には夜の9時。サウスロンドンに住む仲間は帰りの道中に一人ずつ別れて行き、パブには結局10人ほどが残った。気づけば今日3件目のパブ。エースカフェリユニオンに行ったと言うよりも、ツーリング、いやパブがメインでイベントにはちょっと顔を出した、という感覚だ。 |
一杯やって紙巻タバコを巻いて一服していると、BSA・ハンスが到着!!先ほどの事を詫びると、やはりちょっぴり怒っていたがビールを片手に「集団だからしょうがないよな。今度からは俺の事も忘れないでくれよな。」と無事にハグして仲直り、そして今後のいい教訓になった。 カメラマン・ハンスは今日一日の写真を皆に見せて、「これいいんじゃない?プロの写真みたいだ!」なんてプロに向かって冗談を言って、笑い合う。ほんの数時間前の写真なのに、ずいぶん前のように感じる。それだけ充実した時間だったんだろう。 夏のささやかな残り陽と20台のエンジンノイズ、オイルの匂いで火照った体を、夜風で冷ましながら今年のACE CAFE REUNIONも無事に走り切れたんだと、ただ嬉しかった。 |